イーサリアムクラシックの特徴と将来性|エアドロップ/IoT対応
イーサリアムクラシックとは
イーサリアムクラシックは、イーサリアムからハードフォークして生まれた仮想通貨です。通貨名の表記がETCとETHと、一文字しか変わらないところから、間違いやすいですが、イーサリアムクラシックはある事件がきっかけでハードフォークすることになりました。
The DAO事件により生まれた
イーサリアムクラシックはThe DAO事件という事件により生まれました。DAOとはDecentralized Autonomous Organizationの略であり、日本語にすると自律分散組織という言い方になります。DAOは中央で管理する個人や組織を持たず、ブロックチェーン上にDAOのルールが記載されます。要するに、ブロックチェーンによって構成される、上下がない組織です。
The DAO事件とは、DAO(自律分散型組織)という名前のプロジェクトで起こったことからその名前がついています。結論から言うと、DAOが発行するトークンを投資家などがETHで購入し、保有するトークンの数によって投資先を決めると言う、ベンチャーファンドのようなものを設計できるものになっていました。
簡単に言うと、ブロックチェーンによって不特定多数の投資家から金を募り、みんながいいものだと思うものに投資をするベンチャーキャピタルのような自律分散型組織です。
The DAOは2016年にイーサリアム上のDAOとして設計が始まり、その後DAOトークンを発行し、DAOトークンをETHで買う形で資金を集め、約150億円以上のお金を集めました。
しかし、その後DAOのスマートコントラクトの穴を突かれ、投資家から募った額の30%以上が盗まれてしまいました。これがThe DAO事件です。これがきっかけでイーサリアムクラシックが生まれます。
イーサリアムクラシックが生まれた理由
The DAO事件のあと、イーサリアムの開発側は「盗まれる前のチェーンまで戻り、別のチェーンを作って盗まれたことをなかったことにする」という意思決定をしました。
それだけならいいのですが、時系列をあとからいじって「なかったことにする」という意思決定を中央集権的であるという見方をする人が出てきてました。その結果、ハードフォークして「盗まれなかったことにした」イーサリアムと「盗まれたまま進んだ」イーサリアムクラシックに分裂しました。
イーサリアムクラシックの基本情報
通貨名:Ethereum Classic(ETC)
通貨発行上限枚数:2.1億枚
現在の供給量(記事作成時):91,820,008 ETC
システム(アルゴリズム):Proof of Work(Ethash)
公開日:2015年
公式サイト:https://ethereumclassic.github.io/
ホワイトペーパー:-
イーサリアムクラシックはイーサリアムとは違って、コンセンサスアルゴリズムにEthashというPoWを導入しています。 さらに、発行上限枚数がイーサリアムと違い、決められているため、ビットコインと同じデフレ通貨です。これにより、価格がインフレすることなく、価値が維持しやすくなります。
イーサリアムクラシックの特徴
イーサリアムクラシックの特徴はどこにあるのでしょうか。2018年3月にハードフォークが控えているということもあり、期待が出始めてきた仮想通貨でもあります。
イーサリアムの価格の影響を受けやすい
イーサリアムクラシックは、イーサリアムからハードフォークをした仮想通貨であり、イーサリアムとほぼ同じような特徴を持っています。そのため、イーサリアムクラシックはイーサリアムの価格の影響を受けやすい傾向があります。
イーサリアムクラシックを保有するときはイーサリアムの価格も気にかけておく必要があります。
Ethashというコンセンサスアルゴリズム
ビットコインであればSHA-256、ライトコインであればScryptというコンセンサスアルゴリズムを使用しています。コンセンサスアルゴリズムとは、ブロックの承認作業においてどのようなやり方で承認するのかという段取りのことです。
Ethashというコンセンサスアルゴリズムは、ETH(現在PoS)と違いPoW(プルーフオブワーク)です。Ethashはメモリーの消費が激しいです。しかし、マイニング専用のASICに耐性があります。ASICとは、特定の処理に特化したマシンのことです。
ASICを利用することで、マイニングをするときに必要な計算が素早くできるようになります。そのため、ASICを利用している人とそうでない人が同時にビットコインのマイニングをすると、ASICを利用している人の方が素早く計算を終えることができるため、マイニングの行為によって実質的な中央集権が生まれてしまいます。
ASICに耐性のあるコンセンサスアルゴリズムであるEthashは、ASICが使われても中央集権化が起こることのない仕組みなのです。
IoTアプリに対応
IoTはこれからの時代のメインとなる開発とも言われていますが、イーサリアムクラシックはそのIoTに適応することを発表しています。また、ETCのコミュニティはIoTに対応した仮想マシンを開発を開始しています。
IoTに対応するため、ETCのコミュニティはクロスチェーンオペレーション計画にも合意をしました。これにより、今まではイーサリアムの二番煎じだったただの仮想通貨から、これからくるであろうIoTに対応する仮想通貨になるということを示しています。
競合の仮想通貨はIOTAが有力です。しかし、IOTAは最先端であるものの、安全性の面ではイーサリアムクラシックには勝てないでしょう。イーサリアムクラシックの開発メンバーは安定的な開発をしているため、ユーザーにも受け入れられやすい開発をしていると言えます。
イーサリアムクラシックの将来性
イーサリアムクラシックの特徴は以下の3点です。
- イーサリアムの影響を受けやすい
- Ethashというコンセンサスアルゴリズム
- IoTアプリに対応している
これらの特徴を踏まえて、イーサリアムクラシックの将来性を見てみましょう。
Callistoコインのエアドロップ
イーサリアムクラシックは3月にCallistoコインのエアドロップをします。しかも比率が1:1なので、イーサリアムクラシックを持ってる分だけCallistoコインを手に入れられます。
ビットコインにしても、ハードフォークをする際は価格をあげています。ただでコインが配布されるなど色々な要因がありますが、ハードフォークに伴った価格の高騰はかなりあります。それと同様、イーサリアムクラシックもハードフォークによる高騰があるかもしれません。
SDKをリリース
Liskもそうですが、2018年の7月中にSDK(Software Development Kit)の配布がイーサリアムクラシックではあります。SDKを配布することによって一般のプログラマーやエンジニアがイーサリアムクラシックのチェーンを利用してアプリケーションを作れるようになります。
SDKを配布することによって、多くのサービスがローンチされ、イーサリアムクラシックを利用した魅力的なサービスが世にでる可能性が高まります。そうするとETCの値段も上がることになるため、SDKのリリースはかなり期待ができます。
IoTとの完全な互換性
先ほども述べたようにイーサリアムクラシックはIoTの分野で開発を進めていくことをコミュニティ単位で合意しました。2018年の11月にはIoTとの完全な互換性を持たせることを発表しています。
これまではイーサリアムの二番煎じのオワコン通貨だと思われていましたが、戦うフィールドを変え、IoTの分野で活躍することが望まれています。競合となるであろうIOTAとはちがい、信用のある技術で安定的な開発を続けていくことで、ユーザーに安定したイメージを与えるでしょう。
イーサリアムクラシックの購入方法
イーサリアムクラシックは、日本の仮想通貨取引所でも多くの取り扱いがあります。ビットフライヤーやコインチェックが主に取り扱っています。また、海外の取引所では、Binanceなどが取り扱っています。
ビットフライヤー
ビットフライヤーはビットコインの取引量国内No.1を謳っている日本の取引所です。ビットフライヤーで取り扱っている仮想通貨はビットコイン(BTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、イーサリアム(ETH)、イーサリアムクラシック(ETC)、モナコイン(MONA)、リスク(LISK)です。ビットフライヤーではそれらのコインを保有できるほか、ビットコインのトレードが便利です。
Binance
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